Violin Bass | Hofner Beatle Bass
史上最高のロックバンド<ビートルズ>のベーシスト、ポール・マッカートニーによって有名になったホフナー製ビートルベースの復元修理である。
主な修理内容
• 摩耗箇所の復元
• 乾燥割れの修理
• ヘッドプレート交換
• フレット交換
• ネックとボディーの再塗装
長い間に指の当たっていたところの合板がすり減って、中板までも露出してしまっている。化粧板にも沢山の割れがあり、塗装をはがしたときにクラックの中に色が染み込んで、黒い線になってしまっている。剥離材の中にはプラスチックを溶かしてしまうものがあるので、塗装を剥がすときには気をつけなければならない。バインディングが傷んでいないのは不幸中の幸いである。
ネックをはずしてからバインディング周りの塗装を注意深く取り除き、トップとバックのアーチを変えないようにザッとサンディングする。
黒く変色した部分をできるかぎり漂白してから、凹んだ所にスプルース用のパテを埋める。パテを加えた部分を整形したあと、仕上げのペイパーをかけ、色を合わせ、細い筆で木目を描き塗装の下準備を終える。クラックや合板の浮きなどはもちろん修理済みである。
ネックがボディからはずれてきたためにヒールの部分をネジ止めして接着してあるが、古いギターにはよくみられるケースである。
ネジ穴に木を埋めて修理をすることもできるが、塗装後に木目が見える場合はヒールを取り替えてしまった方が仕上がりは良い。
ヘッドプレートのプラスチックが変形してしまっているので新しく取り替えなければならなかった。
摩耗してしまった角のラインを出すためには全体を少し小さくする必要がある。
同じプラスチックの板が見つからなかったので黒く染めた化粧板を使うことにした。
ネックとボディーを別々に塗装したあと、ネックの角度を決めて接着し、パーツを付けて、できあがり。