Electric Guitar | Gibson Les Paul
フレットの打ち変えのために持ち込まれたものだが、フレット両端のバインディングをギブソンスタイルでとのこと。そのためにはバインディングを取り替えなければならない。
オリジナルの塗装は、剥がされクリヤーラッカーがかけられていたものの、ベルトバックルの傷と、すり減ったフレットのほかは、どこといって悪いところはなかった。だが、フレット打ち換えのためにバインディングも取り替えるのだったら、いっそのこと全部やりかえて、塗装もオリジナル仕様に戻そうという話になった。
ギブソン系の指板は、フレットを打ったあとにバインディングをつけ、フレットとつぎのフレットとの間を削り取って整形するため、バインディングが各フレットの両端でフレットをカバーするような形で立ちあがっている。
そのため、レスポールのようなバインディングのあるギターのフレット打ち変えは、フレットボードとネックに何の問題もない場合はバインディングをさわらずにフレットだけを交換することも可能だが、ほとんどの場合はフレットをオーバーバインディングにするか、このようにまったく新しいバインディングにしてし まうかのどちらかだ。
どちらが良いかは一概には言えないが、オリジナリティーや弾きやすさなどの要素を考えると、最終的には好みの問題ということになるだろう。
この写真は、バインディングをはずしてフレットも抜き取った状態だ。ここから指板のアールなどを調整してフレットを打つ。
フレットが打ち終わったらバインディングを着けて整形する。各フレットの両端でバインディングがフレットの一部になっているのがわかると思う。
それほど古いギターではなかったので悪くなったパーツは、すべて取り替えることになった。
その結果まったく新品になって持ち主は大喜びだ。